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ダイキャスト・プレーン
とは何ぞや? |
さしあたりこのWebページ上での定義しておかなければならないだろう。
現在一般に認知されているところの「ダイキャスト・プレーン」とは。
1:ダイキャスト製胴体
2:1/400、1/500などのスケール・モデルである
3:タンポ印刷で塗装されている(一部例外あり)
4:ブランドごとに仕様が統一され一貫性がある
の4点を満たしていなければならないだろう。
4番目で「ブランド製」としたが、なぜ「メーカー製」ではないのか?
現在流通しているダイキャスト・プレーンの多分ほとんどは中華人民共和国広東省で生産されている。
ヘルパ、ドラゴンといった大手模型メーカーも広東省の個々の工場に生産委託をしており自社で生産しているわけではない。
ましてや今ひとつ素性の知れない小規模ブランドになると言わずもがなだが、ある意味彼らこそ「メーカー」といっても良いかもしれない。
ある特定のブランドは大手メーカーの委託生産をしている工場が独自(勝手?)に立ち上げたらしい形跡があるからだ。
製造販売者をメーカーと呼ぶとすれば、彼らだけが実情にあっているかもしれない。
ただここでは個々に呼び分けても紛らわしいだけなので「ブランド」で統一することにする。 |
| 創生からの流れ |
「飛行機のミニカー」としての製品はかなり昔から様々なメーカーから発売されていたが、最初に大規模なシリーズ物として現れたのはドイツの1/600スケールのSchabak製品だろう。
ダイキャスト製モールドにデカール張りのモデルは、後にヘルパが登場するまでは唯一の統一スケール・ダイキャスト・プレーン・シリーズだった。
その仕上りはデカールの張り込みの個体差が著しく、大雑把な印象でオモチャの域を出ないものであったが、その圧倒的なラインナップと価格の安さは現在でも他の追随を許さない。
そのモデル群は現在でも増殖を続けており、影は薄くなったとはいえ健在だ。
1992年ニュルンベルグのトイ・フェアでHerpa Wings(HW)が衝撃的(?)なデビューを飾る。
大手ミニカー・メーカーの資本を投下し、当初からタンポ印刷の技術移転をした広東省の提携工場(ホーガン)で全量の生産をすることでコストを抑えている。
とはいえSchabakに比べると遥かに高価なHWが市場に浸透するには数年の時間が必要だった。
日本国内では「のりもの倶楽部」の前身エアショップ・イカロスや元々Herpa製ミニカーを扱っていた専門ショップが細々と販売していたが、日航商事(現JALUX)がJALフリートの販売に乗り出して来た辺りから国内でのブレークが始まっている。
HWはその後1/400、1/200のシリーズも開始し、ダイキャスト・プレーン界のリーディング・ブランドの地位を築いている。
HWによって開かれた新時代に1/400スケール文化を切り開いたのが香港の大手模型メーカーDragon ModelsのDragon Wings(DW)だ。
1997年後半に登場したこのシリーズは1/500スケールの25%増のサイズを生かして、よりリアリティの高い製品をリリースしてきたのだ。
部品構成もHWと異なり、翼パーツをプラスチック製にしディテール感を高め、当時のHWを「オモチャっぽいもの」という位置に突き落としてしまった。
シャープなフォルムが人気を呼び、国内でも多くのコレクターを虜にしてしまった。
DWにはプライベート・ブランドともいえるJet-X(JX)や各地のディストリビューター企画のアイテム、非売品のコーポレート・モデルと呼ばれるモデルが多く存在する。
DW登場からダイキャスト・プレーン界の戦国時代が始まったといえよう。
のちにHWも1/400スケールに参入し、相前後して更なるブランドが台頭してくることとなる。
1999年初頭に登場したGemini Jets(GJ)だ。
アメリカ・ラスベガスに本拠を置くこのブランドは、やはり広東省の工場に生産委託するのだが、その製品は前の2社と大きく異なる。
GJは全金属製にこだわり、タイヤ・パーツ以外は全て金属で形成しHWやDWと差別化を図った。
当初からノスタルジー路線を取り入れたGJはアメリカで人気を呼び、現在でも高い支持を得ている。
そして今まで安穏としていた1/500スケールでも戦乱は発生する。
とりあえず独占を保っていた1/500スケール界にGJの仕掛け人がStar Jets(SJ)を持って戦いを挑んできたのだ。
名目上のヘッドクォーターは香港に置かれているが、実質的にはGJと同一の指揮系統(?)と考えて良いだろう。
GJを25%縮小したようなフォルムは、やはり「HWより上」を狙ったもので、リアリティでは遥かに当時のHWを凌駕するものだった。
ここに来てHWはNew Generation(NG)と称してSJ対抗の新シリーズを開始した。
SJに引けを取らないディテールを持ち、塗装表現など従来シリーズとの連続性を保ちながら徐々に従来シリーズと入れ替えを図っている。
その頃香港ではC&Cというマイナー・ブランドが登場している。
HWチックなモールドにNG風なギアを付けてHWには無いアイテムを狙って少量投入するという隙間商売をやっていた。
一時期盛り上がりを見せたものの、新たな1/500スケール参入者によって短い活動期間に終止符を打っている。
世紀が変わり2002年Big Bird(BB)という1/500スケール・ブランドが突如登場する。
最初から商標権完全無視をキャッチフレーズ(?)に殴りこみを掛けてきたそのブランドは素性不明ながらその圧倒的な高品質は驚愕モノであった。
一見SJのモールドを改修したようなフォルムだが、その塗装技術は処女作Ansett747-400Sydney2000で驚異的なクオリティを再現していた。
その後も複雑多色塗装をものともせず、次々にアイテムを投入してくるその勢いはダイキャスト・プレーン界で社会現象を起こさせた程だ。
さらにNet Model(NM)が1/500スケール界に参戦し、正に乱世の時代に突入している。
NMは当初757-200だけという超マニアックなラインナップで大人しくしていたのだが、HW製キャンペーン配布専用モデルのJALサポーターズ号のパクリを発売するに至り「*商標権完全無視同盟(同盟)」(!)に加盟することとなる。
その後は他の同盟と共にやりたい放題のシリーズを展開している。
この同盟結成には1/400スケール界にも馳せ参じるブランドが現れる。
Tucano Line(TL)である。
元々はDWのディストリビューターで、スイス系エアラインのモデル企画をしていたのだが、他ブランドに触手を伸ばした辺りでDragon社と仲違いしたようで、独自にモールドを興し参入してきた。
基本ラインはGJ風な全金属製路線だがどうもバランス感覚に欠ける部分があり、「凝った作り、詰の甘い仕上げ」がキャッチフレーズとなっている(?)。
同盟参加ブランドらしく好き放題なリリースは流石だが、大手の領域に侵食し過ぎたのか一時は露骨にバッシングの対象になり、ことごとく同じアイテムを別ブランドからぶっつけられ、高価格から次第に販売不振に陥りつつある。
後にTLの平行ブランドとも言えるGoldenWings(GW)やNavigatorなどが乱立するが、オーナーが病に倒れるという意外な結末を迎え、権利をPhoenixに託し風雲児は2002年の秋に消え去っていった。
そのような争いから一歩引いた位置に孤高の路線をひた走るブランド密かに登場していた。
Aero Classics(AC)というそのブランドは名前の通りレトロなエアライナーを100〜500個という小さな単位で細々と作っていたが、初期の「大きなShabak状態」のモデルをタンポ印刷にリファインしたDC-9をリリースしたところからブレークし、コアなコレクターを虜にしている。
知名度が高くなっても生産数は相変らず少なくアイテムによっては入手性の困難さがあるものの今一番アクティブなブランドだろう。
AC系のプライベート・ブランドもいくつか登場している。
また前述のBBは実はACと同じグループを形成しており、BBの1/400進出と共に相互にモールドを融通している機種もある。
ここまでの大きな本流に沿うかたちで現れた現象にも少し触れよう。
同盟の誕生?!に色気を覚えたのか、大手ブランドのモールドをそのまま使用したマイナー・ブランドが乱発されるようになった。
DWモールドのTwin Starを皮切りにDo Do Diecast、Big ShooterのDW系、GJ/SJ系のDream
Jets、TL系Goldenwingsなどがそれだ。
当然リリースされるのは版権上かなりヤバい系列のアイテムばかりだ。
果たして本来のモールド使用者がどこまで関与しているのか判らないし、温度差もあると思われる。
しかし元々同盟系のTLがなぜ別ブランドを立ち上げたのか理解できないが、何か事情があるのだろう。
といったのが始まりから今に至る、この世界の流れだ。
*:商標権完全無視同盟という組織が実際にあるわけではない
2004/03/09改定 |
| この道は何処へ行く道 |
上の文章を書いてから一年半を過ぎ、その前後からの業界の変化についても触れておきたい。
その後の大きな変化としては、'03年終り頃からGJ騒動とも言うべき事件が発生し、一時アイテムのリリースが停滞するという事態が発生した。
主因はフィナンシャル上の問題で、生産工場とのトラブルが発生し、生産がストップしてしまったことにある。
その後、状況は思っても見ない方向で劇的に改善されるのだが、それは他ブランドとのモールド共用化であった。
騒動発生中にも機種を限定して細々とリリースを続けていたのだが、突如としてフェニックスと同じモールドを使用したモデルを投入してきた。
従来からの各機種のシームレス化が進行していた時期でもあり、モールドの改修ではなく他で出来上がっていたものをそのまま持ってきてしまったわけだ。
ことはそれだけで留まらず、更にはAC系のモールドまで使用を開始するに至り、もう何でもありの状況になっている。
結局のところ、従来GJ製品を生産していたハイスピード社とは縁が切れてしまったらしく、フェニックス、ACとの共闘体制に移行してしまった。
それと並行するかのようにACから直接リリースされるアイテムが激減し、同系のPBからのアイテムも減少しつつあるが、GJ繋がりだったPB向けにもアイテム供給を開始するなど、動きは活発ではある。
この騒動でとばっちりを受けたのがSJで、ドイツのSchucoとマーケティング契約を結んだものの、長くは続かず、それどころかブランドそのものが消滅してしまった。
結局のところ世界市場的には1/400の方が人気が高く、トカゲの尻尾切りのような形で何の正式なインフォメーションも無く、ひっそりと消えていってしまった。
'04年あちこちのショップで叩き売りが為されたのは流通がストップし、以後のサポート体制が消滅してしまったことに他ならない。
SJもハイスピードが生産していたわけだが、そのモールドは現在5Starなど複数の新ブランドに名を変えて細々と行き続けているが、従来のSJとはリリース速度も比べ物にならずいつまで続くか心許無い。
SJのアイテムは市場在庫が無くなり次第、過去帖のページの奥へと消えて行くことになる。
’05年には久しぶりにBlueBoxという全く新規の1/400スケールの新ブランドが登場した。
旧BB/SJ辺りを“やっていた”スタッフが独立して起こしたブランドで最初は渋くロッキード・トライスターからシリーズ化を開始した。
凝ったパッケージや付属品にヤル気が見えるが、後発ゆえの苦労も見え隠れし、他社と差別化することに色々と知恵を巡らせているようだ。
その後747シリーズへとバリエーションを増やしているが、お決まりの裏路線にもシッカリ乗っかって不幸な日本人コレクターから金を巻き上げることも忘れていない。
それ以外の堅気の各ブランドでは、各々マイペースな展開だが、目に留まる点に触れておく。
HWはSJ消滅により殆ど1/500では一人勝ち状態になっているが、こちらもややレトロ路線が目に付くようになってきた。
また1/200スケールでの金属製モデルもスタートし、新しい世界を作りつつある。
GJと決別したハイスピードがなんとここに食い込み、一部のアイテムの供給を始めたことが一大変化と言えるかもしれない。
但し今のところ、1/600や1/1000スケールといった新しいラインナップなど限られたアイテムに限られるが、今まで独占関係を確保していたホーガンの心中や如何に?
DWもレトロ路線に突入し、数々のアイテムを投入しているが、全体的なクオリティ・コントロールがやや変化しているように思われる。
生産工場の変更が言われているが、どうもここは周期的におかしくなることがあるようだ。
DWのPB、Jet-Xは相変らずのブラニフ祭りなどで我が道を突き進んでいるが、市場はやや冷ややかになっているか?
国内航空会社専売品に目を転じると、JALの永遠の翼シリーズも賛否両論のうちに全アイテムがリリースされ一応終了。
ANA商事からは遂に定価1万円を突破する、あらゆる意味で究極1/400スケールのモデルが登場することになるが、もう行くところまで行ってしまった、という感がある。
五百数十行程のタンポ印刷の粋を集めたモデルがサンプル通りに登場することを願うしかない。
ダイキャスト・プレーンのマーケットは我が国を見る限り(アメリカなど他国も同様か?)'02年をピークとして現在下降線を描いており、ブームが去り成熟期に入っている。
しかしながらビジネスとしてはある程度の市場規模は不可欠で、新規層の開拓と、よりコレクションに広がりを持って貰うための啓蒙活動がが不可欠であろう。
主だったネタは、ほぼ出尽くして懐古趣味や隙間狙いの傾向はこの先も暫く続くと思われるが、コアなコレクターやその頃を知る人々にはともかく、若年層やマニアの域に達しない“ゆるい”人々にアピールするのか?という問題がある。
不幸なことに我が国はダイキャスト・プレーン趣味が存在する国の中では最もコレクターが苦労する環境に置かれており、人気アイテムになる筈の自国の機体が思うように入手出来ないというジレンマを抱えている。
この状況は当面変わると思えず、この先も苦難の道が続くと思われるが、業界関係者のより多くのご尽力とコレクター諸氏による支援によって、この環境が改善されることを切に望むものである。 |
見つけたら買え?
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ダイキャスト・プレーンを買うにあたって、ショップなりWebサイトなり見に行くとしよう。
そこで「こ、これは…」というモデルをを見つけたらどうするか?
頭の中は財布の中身と月末の引き落としや、はたまた預金の残高がグルグル駆け巡っているかもしれない。
この世界、とかく「一回限り」というモノが多いので【見つけたときに買う】というのが鉄則と言えなくもない。
特に「同盟」系モデルは会社ごといつお取潰しになってもおかしくない状態なので尚更だ。
しかし最近の動きとして、同じアイテムをワザとぶつけ合うメーカーがあったり、DWのように以前発売されたアイテムを再販する動きが出てきている。
またHWのようにモールドの仕様変更を機に再販するなど、ブランドやロットにこだわらなければ「一回限り」ということは無くなってきた。
もちろんブランドごとの温度差とアイテム自体の市場価値があるのでなんでもそうだとはいえないが。
同盟系が狙ってくるのは「色物」と商標権に厳しいエアラインのアイテムが中心なので、基本的には作り逃げだ。
一社で何度も版を重ねるというのは今のところ見受けられない。
しかし色物などは同じアイテムを複数社で同時期に競作することが多いので、短期的に品物が溢れ、どちらかが相対的に不人気となり暫く売れ残る、という図式が展開されることがある。
国内だけに目を向けると日系エアラインの同盟系モデルは市販されないので、もっぱら海外通販かオークション頼みとなってしまう。
そういうのに限ってWebサイトで同等品よりも割高な値段設定で売られていることが良くあるが、ちょっと腹立たしい。
日本人の足元を見ているのか、パクられた時のリスク分?を上乗せしているのかワカラナイが…。
とはいえ最も安く買えるのがWebショップ上での値段となるので、そこで買わなければアフター・マーケットでの入手となる。
日本では結局Yahooオークション位しかメジャーな市場が無いので、そこに頼ることになるわけだが、「言い値」と「競り値」の世界なので値段は時の運次第となる。
ひと頃より安値傾向に落ち着きつつあるものの、やはり個人で購入するより高めに推移することが多いので、こまった時のヤフオクという感じだろうか?
やや脱線したが、発売と同時に買うことが出来ず、時間が経過しても店頭で売り切れてもそういった場でかなりのアイテムは入手が可能であるということだ。
出品されるまで待つ時間と競り勝つ手間と多分多少のプレミアと引き換えに。
再販品が出るのを待つというオプションもあるが、ブランドによってスタンスが大きく異なるので見極めが必要となる。
HWの場合カタログ落ちしない限り、売れるアイテムであれば何度でも再生産される。
ただしANA商事の企画品のような限定アイテムや生産数限定品は除く。
繰り返し生産される度に窓色などが微妙に異なっていたりすることがあるがそれもHWの醍醐味か?
カタログ落ちしたモデルは出荷された在庫が切れればそこで終わりとなるが、NG以前のモデルはある程度人気のあったモデルで相当期間のブランクがあればNGで再販される可能性がある。
ある程度の数が売れるであろうという見込みがあればだが…。
そこに他社が絡むとHWが品切れになった辺りでBBやNMが発売してくることもありえる。
という訳で、最近の動向は以前程明確ではなくなってしまっているのだが、とりあえず確実にGetするには、やはり見つけた時に買うべきなのだろう。 |
| 2005/10/16追記改定 |
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