ラテンの血は篤し?! 旅先で出会った優しい人々

 その昔、某航空情報に「空港へ行こう」という連載ページを持っていました。(ここのURLがgo-airportなのはその時の名残りです)
 カメラを担いで世界各国の空港で旅客機の写真を撮っていた頃、その撮影情報をフィードバックする目的で連載と、それをフォローするためにサイト運営を同時進行で行っていました。
 自らの欲求を満たすため、と同時に連載の為のネタ集めも含め毎年新規開拓の空港へ行かねばならず、満足な事前情報も無しに突撃することもしばしばありました。
 足掛け5年に及んだ連載当初はインターネットがまだ普及を始める前の話しで、当方がネット環境を整えたのは'96年後半のこと。 最初のサイトを立ち上げたのは記憶が定かではありませんが、多分'97年初頭ではなかったかと思います。
 というわけでグローブ・トロッターならず、グローブ・スポッター時代のお話です。

 時は'98年7月のある日。 新規開拓ツアーの目的地の一つとしてポルトガルへと足を伸ばしましたが、そこでの出来事。
 万博開催中のリスボン空港はなぜか未だに工事の真っ最中、レンタカーを借り出していつものように空港外周で撮影ポイントを見つけ出し、撮影をしていると、なかなか良いポイントを発見、早速撮影をしていると地元スポッターの面々も登場。
 特に話などはしなかったのですが、レンズ越しに見る空港内の警備所の警備員に不穏な動きがあり、ナニやらこちらをしきりに見ている様子。
 程なくニッサン・パトロールに乗って私服の警察官2人組が現れて、職務質問をしてきたのでした。
 どうやら不審なアジア人(自分)を発見し、調べに来たような感じです。
 片方の白い糊の利いたシャツを着た男が英語を話し、相棒はポルトガル語オンリーのようでしたが、パスポートを取り上げ、記載事項の確認?を無線でしている。
 そこに同じ場所に居合わせた地元スポッターが何人も割って入って色々と庇ってくれている様子(ポルトガル語はワカラナイが)。
 そしてその中の一人が、「心配ないから」と言ってくれたのでした。
 程なくパスポートも返却され、糊シャツ氏が「一応職務なので気を悪くしないでくれ、撮影は続けて良いから。じゃあ楽しんでな」と言って引き上げて行きました、とさ。
 で、そう間を置かずに飛来したのはエルアルの767-200。 なるほど、と納得した自分でありました。
 その後、居合わせたスポッター諸氏にお礼を述べると共に、状況など聞いたら撮影ポイントや他の空港の撮影条件なども親切に教えてくれたのは感謝感激。
 しかしリスボンでは午後側しか光線状態が良いポイントが無く、しかもその時間帯は面白い飛来機は少ないと知らされ「ぎゃぼー」という感じ(笑)。 
 当初の予定通り翌日の夕方の便で大西洋岸の都市、ポルトへと移動したのでありました。

 リスボンでの撮影を終え、ポルト行きのTAP便に乗るべくターミナルを歩いていると、手帳に挿してあったボールペンが無くなっていることに気付いたのですが、ターミナルの中には免税店が一軒開いているのみ。 のぞいて見るとPARKERのお土産用ボールペンがあったので買おうとするとレジの女の子が「国際線の搭乗券を見せてください」と。
 「国内線なんだけど駄目?」と問い返すと、「免税品なので駄目です」とのこと。 これは困ったな、と思っているとその子が「ボールペン要るの?だったら、これをあげる」といって自分が使っていたペンをポケットから取り出して渡してくれたのでした。 激しく感激(T-T)しました。 丁重にお礼を述べて機上の人となったのでありました。

 翌朝レンタカーでポルト空港の撮影ポイントを探しつつ、とりあえず空港アクセス道路に面したランウエイ・エンドで撮影していると、真後ろで「キッ!」と一台の車が急停車(どきっ!!)。 降りてきたサングラスを掛けた青年は開口一番「どこから来た?日本人か?」。 そうだと答えると「奥○○○(自粛)を知っているか?」と非常に有名な某スポッター氏の名前をいきなり口に出すではありませんか。 私も何度かあったことがあり、知っていると答えたら、彼とスライドのエクスチェンジをしているとのこと。 ムム!やるな奥○氏。
 「まだここで写真撮るのか?」と聞かれたので、そのつもりと答えたら「ちょっと待ってろ」と件のルイスと名乗った青年は車に乗ると何処かへ去っていた。
 撮影を続けていると程なくルイスとその友人なる人が戻って来て、「おれの撮った写真を見てくれ」と分厚い写真帖を手渡された。(どこの国も同じだなぁ(笑)
 で、飛来機の傾向など一通り教えてくれて、「他の撮影ポイントを知っているか?まだなら俺について来い」と、幾つものポイントを教えてくれたのでした。
 じゃあおれは仕事があるからと、帰り際に「スライドのエクスチェンジしてくれ」と頼まれましたが…。
 帰国後ポルトの記事を作成する際に、現地で空港の地図が入手出来なかったので、ルイスに空港の見取り図が入手出来ないかとメールを打ったら、丁寧な手書きの地図と最新作の飛来機の写真を送ってくれた。 またしても感激(T-T)。 「お礼にスライドを友達の分まで送って下さい」とチャッカリしたメッセージを添えてありましたが・・・。 もちろんケース一杯のスライドを送りましたさ。

 色んな国で撮影しましたが、ここまであちこちで心温まる気遣いに出会った国は無いです。
 その後再訪する機会がありませんが、彼らの暖かい心の温もりは今も想い出と共に残っています。 元気にしてるかな?

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