欲しい機体のモデルが出ないのは何故?
 みなさんの欲しい機体のモデルは発売されていますか?
 ダイキャスト・プレーンの人気度合いは何処の国でも馴染みのあるエアライン、機種ほど高くなっています。
 しかし意外と「なんであれが出ていないんだ?」という機体も多くあります。
 ここではその理由をお話しましょう。
 
 考えられる理由を大別すると大体3つに分けられると思います。
 その3つの理由を順に紐解いていきましょう。
1:商標権などの許認可の問題
 ダイキャストモデルを製作販売するには許可を得なければならない場合があります。
 機体のペイント、ロゴマークなどの意匠は商標として登録されている場合が殆どです。
 人気があると思われるにも関わらず発売されない航空会社の最大の理由は商標権の権利関係によります。
 航空会社、あるいは描かれているキャラクターの権利会社から許可を得られない、とかいう理由です。
 昔は特に航空会社の許可を得ないでもオモチャやプラモデルを作れていたようですが、近年はその辺りの権利関係には非常にシビアになっている会社が大手ほど多いです。
 そして製品化する機体の航空会社はもちろん、標準的な塗装以外に第三者が権利を持つキャラクターやロゴがペイントされている場合はその権利者、さらに機体を製造する航空機メーカーなど許諾が必要となる場合があります。

 航空会社の場合、自社の商標に関して権利を外部に開放しない会社、ロイヤリティを課して許可する会社、事前に申請すれば無償で許可する会社と様々です。
 商標権の外部開放を頑なに拒む航空会社としてはANAとキャセイ・パシフィックが有名ですが、キャセイは旧塗装に関しては現在開放しているようです。このグループは極めて少数派です。
 大手航空会社の多くはロイヤリティを支払えば使用を許可する場合が多いようです。北米のメガキャリア各社をはじめ、有名どころは大体がこのグループに入ると思われます。
 無償提供しているところではルフトハンザ、スカイマークなどお馴染みの会社や、比較的規模の小さな発展途上国の会社など、自社の宣伝になると理解している航空会社のグループがこれにあたるでしょう。
 航空会社ではありませんが、アメリカ空軍、航空自衛隊など軍関係はもっと緩やかな規定で使用許可をだしています。
 航空会社の基本塗装以外にキャラクターやロゴが入っている場合は、それらの権利者の許可が要るわけですが、航空会社と権利者の間でどういった契約がされているかによってモデルの発売が可能かどうか決まってきます。
 製品化が可能としても、有名なキャラクターほどロイヤリティが高くなりその分が売値に反映されますので、得てして高価なモデルとなってしまいます。
 機体メーカーの許諾はどのように為されるかは、正直言って良く判りませんが、その機体のフォルムを正確に捉えているのであれば許可を取れるように見受けられます。
 
 航空会社の問題で引っ掛るケースでは、開放しない会社はどうにもなりません。その会社が自分で製品化してくれるのを待つしかありません。また製品化されていてもそれが納得出来る仕上がりになっているか?というと必ずしもそうはなっていないケースもあります。
 ロイヤリティを払う場合、航空会社によってはモデルの単価に対してそれが非常に高額になり、金額的に折り合いが付かない為に発売出来ない、ということもあります。
  
 あと商標権などの利権とは関係なしに許可を得られないケースがあります。
 社会的に大きなインパクトを与えたような事件、事故に巻き込まれた機体、その塗装を製品化することを嫌うエアラインがあります。
 ある程度時間が経過したものに付いては問題なかったりすることもあるようですが、それも各社対応が異なります。
 当然のことながら事故機そのものをモデル化することは、まずどこも許可しないでしょう。
 しかし例外も中にはあり、製品化許諾を得て製造をし、さあ出荷!というところで実機が事故で全損してしまった!!という事例がありました。
 結局はそのまま発売されましたが、大幅に発売時期が遅れ、その間にエアラインと折衝が行われていたようです。
 また同様のケースで、ついにエアラインの許可がおりず、大量の製品がお蔵入りとなってしまったこともあります。  
 発売後に実機が失われてしまった場合は、さすがに製品回収まではされませんが、以後の出荷や再生産はまずありません。

2:モデル製造技術
 最近のダイキャストモデルの製造技術は年毎に進歩しており、旅客機の場合、機体のフォルム自体を再現出来ない、ということは殆ど無いようです。
 問題となるのはもっぱら塗装の方で、複雑なパターンや多色使いの色合い合わせなどがネックとなることがあるようです。
 タンポ印刷の場合、例えばJAS777のように胴体全周を巻くような連続性のあるストライプなどを再現する際には、通常の印刷で言うところの刷版にあたるゴム製パッドの制約がありどうしてもストライプを分割しなければなりません。
 この時に分割した部分が重なってそこだけ色の濃度が増してしまったり、塗料の厚みが加わって段差になったりしますが、これは印刷技術の性質上仕方ないです。
 恐らく版を細分化して重なり合いを無くせばそういった問題はでないのでしょうが、今度は非常に高い精度と工数の増加を招き単価の折り合いが付かなくなるでしょう。
 そんな訳で「ほどほどの仕上がりで手を打つ」というパターンになるのですが、厳格な航空会社ではそれで納得出来ずに市販を許さずサンプルを作って終わり、というケースもあったようです。
 仕上げのクオリティに目をつぶれば、まず「作れない」ということは無いのですが、一応出せない理由として加えておきます。

3:人気の度合い
 これは機種と塗装両方にいえますが、人気のあるなしも大きな問題です。
 殆どのコレクターの購入動機の上位には「馴染みのあるもの」という条件があると思います。日頃目にする機会の多い自国の航空会社や自分が乗ったことのある機体や航空会社です。
 次に来るのは「色物(特別塗装)」であったり、どこかで見かけたものかもしれません。
 そうすると自ずと売れそうなものというのは、購買層が多い国の航空会社の機体に偏ってきます。
 購買層の年齢分布がどうなっているかは判りませんが、第一世代のジェット旅客機やそれ以前のプロップ機などよりも現代の最新鋭機の方が売れる数は多いようです。
 従ってモデル化されているものは北米や欧州大手の現用機が中心になっています。
 もちろんそれ以外のアフリカや中南米などの航空会社やレトロなプロップ機のモデルもありますが、やはり全体に締める比率は少ないでしょう。
 AeroClassicsやHerpa Wingsが頑張ってそれらの製品を出していますが、まだまだ古今東西全てを網羅している訳ではありません。
 マーケットの広がりとありきたりなアイテムには飽きたディープなコレクターが増えれば、もっと多彩なモデルが登場すると思いますが、それまではじっと待っているしかなさそうです。

Last Update 2004/03/09
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